〒114-0034東京都北区上十条2-27-1 J&MALL1階
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ホーム » 網膜の病気(網膜硝子体疾患)
「網膜」は目の一番奥に広がっている眼球の内側を覆う半透明の神経の膜のことです。カメラでいうフィルムの役割を果たし、目に映し出された画像を視神経から脳に伝達する役割を担っています。網膜の病気(網膜硝子体疾患)とは、網膜に異常が発生して起こる病気です。網膜は角膜や水晶体を通った光が像を結ぶ場所なので、網膜に異常があると視力が低下したり、視野が欠けたりするなどの症状があらわれます。網膜剥離や糖尿病網膜症などの網膜硝子体疾患は、国内の失明原因の上位を占めており、進行が進むことで重篤化しやすいため、眼底検査による早期発見が重要です。眼底検査では、目の奥にある網膜や視神経、血管の状態を調べることができます。当院では最新機器導入による検査や、硝子体注射などの治療を行っております。
大学病院や総合病院で、様々な症例に対して診察・治療を行ってきた経験から、目のお悩みに対する幅広い知見を持っています。本院「きたあやせよつば眼科」と3つの分院のうち一つ、ザ・タワー十条よつば眼科医院の院長として2025年に就任。
網膜は眼球の裏側、眼底に位置する薄い膜のことです。網膜の中心部には黄斑部と呼ばれる視力や色に対して高い感度を持つ視細胞があります。
目の構造はカメラの構造とよく似ていて、実際に物を見る際には、瞳孔から入った光が「虹彩」によって調整され、「水晶体」で屈折し、透明なゲル状の「硝子体」を通過して、「網膜」の「黄斑部」に焦点を結びます。その後、光は「視神経」を介して信号として脳に伝達され、像として認識されるのです。網膜の主な役割は、視細胞(桿体細胞と錐体細胞)により光の明るさ、形、色を認識して、像を形成し、視細胞から神経細胞へと伝達し視神経を通って脳にその情報を送ります。
網膜の病気(網膜硝子体疾患)とは、網膜に異常や症状が起きることで発症する疾患です。網膜は、角膜や水晶体を通過した光が像を形成する場所であるため、網膜に問題があると視力の低下や視野の欠損といった症状があらわれます。 主な網膜疾患には、網膜剥離(裂孔、黄斑円孔、黄斑上膜)、加齢黄斑変性症、糖尿病網膜症、網膜静脈閉塞症などがあります。
POINT
現在、中高年の失明原因の1位は緑内障で、以降は糖尿病網膜症、網膜色素変性症、加齢黄班変性がそれに続き、実際に国内失明原因の上位を占めるのが網膜の病気です。突然、急激に視力が低下したら、すぐに眼科を受診し、早期発見・早期治療で進行を遅らせ、失明を防ぐことが大切です。
網膜疾患を早期に発見するためには、定期的な眼底検査が効果的です。眼底検査は、眼科における検査のなかでも特に重要な検査です。眼底検査では、特に血管、網膜、視神経に焦点を当て、眼底の異常の有無を確認し、目の病気を早期に発見することができます。また、定期的に検査を受けることで、病気の進行状況を把握することも可能です。当院では最新の検査機器を導入し、網膜疾患の早期発見に取り組んでいます。
眼底検査とは、眼球の奥にある眼底(網膜や視神経、血管など)の状態を調べる検査です。
蛍光眼底造影検査は、腕の静脈に蛍光色素を注入し、眼底の血管を撮影する検査です。この検査により、眼底の血管の状態や血液の流れ、さらには病変の有無を調べることができます。加齢黄斑変性などの病気の診断や治療効果の評価にも役立ちます。
最新の検査方法の1つである網膜断層検査(OCT検査)は、近赤外光を利用して網膜の断面画像を取得する検査です。この検査は、従来の眼底検査では確認できなかった網膜の深部の状態を詳細に観察できるため、加齢黄斑変性、黄斑円孔や網膜浮腫などの網膜硝子体疾患の診断、さらには治療効果の評価に役立ちます。
網膜疾患による自覚症状の1つとして、「飛蚊症」という症状が現れます。飛蚊症とは、目の前に虫や糸くずのようなものが飛んでいるように見える現象のことです。
飛蚊症は、多くの方が経験される可能性のある症状であり、そのほとんどが先天性や加齢性変化に伴う硝子体の濁りによる生理的現象(良性)が原因となっている場合がほとんどで、その場合は経過観察となるので心配ありません。
注意!
中には網網膜疾患の前兆として飛蚊症の症状が起こることがあります。網膜疾患による飛蚊症の場合、疾患によっては重篤化する可能性があるため、早期の治療が必要です。 飛蚊症の症状がある場合、一度眼底検査を行って原因を確認しましょう。
網膜に穴が開いたり、網膜が眼底から剥がれたりする病気です。放置すると失明に至る可能性もあります。
硝子体剥離があり、また網膜が萎縮変性して硝子体混濁が起こり、飛蚊症として感じることがあります。
糖尿病や高血圧、外傷などが原因で、眼底出血が起こり、血液が硝子体内に混入する病気です。
ぶどう膜(虹彩、毛様体、脈絡膜)に炎症が起こる病気で、細菌やウイルス感染、アレルギーなどが原因で発症します。
「網膜剥離」は、網膜が眼球の内壁から剥がれ、視力や視野に影響を及ぼす病気で、症状が進むと視力低下が起こり、黄斑部(網膜の中心部分)まで剥離が及ぶと急激な視力低下が起こる可能性があります。この病気の主な原因は、加齢、外的衝撃、糖尿病網膜症などが引き起こす網膜裂孔(網膜の亀裂・穴)です。網膜の亀裂・穴を放置すると網膜が剥がれてしまいます。
網膜が剥がれても痛みは感じませんが、治療を行わずに放置すると視力が徐々に低下し、最終的には失明に至る場合があります。
網膜剥離は「裂孔原生網膜剥離」と「非裂孔原生網膜剥離」の2つの種類があります。裂孔原生網膜剥離は網膜に穴が開くもので、非裂孔原生網膜剥離は網膜が硝子体などの組織に引っ張られて剥がれるものです。網膜剥離の患者の約80%は裂孔原生網膜剥離に該当し、一般的に網膜剥離という場合は、裂孔原生網膜剥離を指します。
網膜剥離は、近視の人やアトピー性皮膚炎で目をこする癖のある人、また、強度近視や家族に網膜剥離になった人がいる場合に注意が必要です。特に、20代と50代に発症のピークが見られますが、誰でも起こりうる病気です。
網膜剥離の治療法や経過は原因によって異なります。
網膜剥離の症状には、以下のようなものがあります。
網膜剥離の症状は、網膜裂孔の位置や大きさ、数、剥離の進行度、出血の有無などによって異なります。また、初期段階や小規模な剥離の場合、症状があらわれないこともあります。
網膜剥離は放置すると失明のリスクがある病気です。自然に治ることは難しく、治療が必要です。早期に治療を行うことで、深刻な視力障害を防ぐ可能性が高まります。
網膜剥離の治療方法は、剥離の進行状況や患者の年齢、裂孔の大きさや数によって異なります。剥離の程度や原因によって適切な治療法を選択し、網膜を元の位置に戻すことを目指します。
眼球の外側から網膜の裂け目を閉じる方法です。網膜剥離の治療法の1つで、眼球を内側に凹ませることで網膜を元の位置に戻します。
網膜硝子体手術は、眼球の内側から特殊なガスやオイルを入れ、穴を塞ぐ手術法です。網膜裂孔が大きく、剥離が進行している場合や、糖尿病性網膜症などが原因で起こる剥離に用いられます。
網膜硝子体手術について詳しくはこちら
「糖尿病網膜症」は、糖尿病によって引き起こされる網膜の障害で、視力の低下を引き起こす病気です。これは糖尿病の主要な合併症の1つであり、成人の失明の主要な原因となっています。糖尿病により血液中の糖分が増加し、血液が固まりやすくなるため、網膜の毛細血管が詰まり、血管壁に負担がかかります。その結果、眼底出血が発生します。血液の流れが悪化すると、網膜に酸素や栄養素が不足し、これが糖尿病網膜症の原因となります。高血糖が長期間続くと、網膜の毛細血管が損傷を受け(糖尿病性細小血管症)、進行すると失明のリスクが高まります。糖尿病網膜症の症状は、病気の進行に伴って変化します。
糖尿病網膜症の進行度合いによって以下の3段階に分けられます。初期には自覚症状がほとんど見られませんが、進行すると以下のようにそれぞれ異なる症状があらわれます。
この段階ではほとんど自覚症状がなく、視力に影響を及ぼさないことが多いです。高血糖の影響で網膜の毛細血管の血流が悪化し、小さな点状出血や白斑が見られることがあります。
点状出血や白斑が増加し、網膜の毛細血管の血流がさらに滞り、酸素供給が不足し始めます。この段階は危険ですが、視力に影響が出ないことも少なくありません。
毛細血管が閉塞し、酸素不足を補うために網膜から新生血管が形成されます。しかし、新生血管は非常に脆弱で、破れて出血を引き起こすことがあります。出血が眼球の中央にある硝子体に広がると、視力の低下や、虫が飛んでいるように見える飛蚊症などの症状があらわれます。
糖尿病網膜症は、完全に治すことのできない病気です。治療の目的は、病気の進行を抑え、視力低下や失明を阻止することで治療を受けても、失われた視力は元に戻ることはありません。糖尿病網膜症の治療には、以下のような方法があります。
網膜症光凝固(レーザー治療)では、網膜の酸素不足を改善し、新生血管の形成を防ぐほか、既に存在する新生血管を減少させる効果があります。主に、病気の進行を抑えるために行われます。
網膜硝子体手術は、網膜剥離や硝子体出血が発生した際に、眼球に3つの小さな穴を開けて細い手術器具を挿入し、目の中の出血や異常な組織を除去したり、剥離した網膜を元の位置に戻したりします。
硝子体出血や増殖膜の除去、網膜剥離の治療、黄斑浮腫の改善などを行い、視力低下の防止や視力回復を目指します。
「黄斑前膜(黄斑上膜)」は、網膜の中心である黄斑の前に張る線維状のうすい膜ができる病気です。形や色を見分ける「視細胞」が特に密集している黄斑部(おうはんぶ)に膜ができます。原因は加齢によるもので、特に40歳以上で多く見られます。
加齢とともに眼内の硝子体が網膜から剥がれ、網膜の表面に残った硝子体が膜を作ります。黄斑部は感度が高いため、わずかな異常でも視力の低下を引き起こすことがあります。
前膜が収縮すると、網膜にしわができ、網膜の細胞に障害が生じます。網膜の中心である黄斑部に影響が出るため、物が歪んで見えたり、グレーがかった視界になることがあります。初期症状は軽度で老眼と勘違いされることもありますが、進行すると視力低下や物が歪んで見えるなどの症状が現れることがあります。放置すると視力が著しく低下したり、黄斑円孔が発生することがあります。
黄斑前膜の主な症状には、以下のようなものがあります。
黄斑前膜の治療は、症状が進んでいる場合は硝子体手術で膜を取り除く「網膜硝子体手術」が一般的です。薬物療法や眼鏡による矯正では治すことができません。硝子体手術では、眼球内を満たす透明なゲル状の液体である硝子体を吸引切除し、黄斑前膜を取り除きます。視力も良好で、自覚症状も少なく、日常生活や仕事に支障のない場合は、手術を行わず経過観察となる場合もあります。
「黄斑円孔(おうはんえんこう)」は、網膜の黄斑部に直径0.1〜0.5㎜程度の小さな孔が形成される病気で、視力の低下を引き起こします。加齢に伴って起こることが多く、特に50歳以上、特に60歳代の女性に多く見られます。
主な原因は、加齢に伴う硝子体の剥離です。目の中にあるゼリー状の硝子体は、年齢とともに水分が増して縮小し、網膜から剥がれます。この際、硝子体と黄斑の癒着が強いと、黄斑が引っ張られることで孔が生じることがあります。
放置すると視力低下や視野の中心が見えにくくなるなどの症状が悪化し、日常生活に支障をきたす可能性があります。早期発見と適切な治療が重要です。
黄斑円孔の症状には、以下のようなものがあります。
黄斑部は視力や色覚にとって重要な細胞であり、円孔が発生するとすぐにこれらの症状があらわれます。特に、中心が見えにくい、歪んで見えるといった症状は、黄斑円孔を疑う重要なサインです。ただし、他の黄斑部の疾患でも同様の症状が見られることがあるため、正確な診断には眼科での検査が必要です。
黄斑円孔は自然治癒することはなく、進行性の病気なので、早期の治療が必要です。 空いた孔を塞ぐ手段としては手術のみとなります。長期放置すると閉鎖が困難になり、視力改善もできなくなってしまうので、診断されたら早めに手術が必要となります。手術は黄斑を引っぱっている硝子体を切除し、その後に眼球内にガスを注入して終了します。注入されたガスが黄斑部を押さえつけることによって術後数日以内に円孔が完全にふさがれます。
加齢黄斑変性は、加齢に伴い眼の網膜の中心部に出血やむくみが生じ、見ようとするところが見えにくくなる、または歪んで見えなくなる病気です。発症メカニズムは、老化により黄斑部の網膜が老廃物を処理する能力が衰え、老廃物が蓄積されることで、網膜の細胞や組織に異常が生じると考えられています。主に50歳以上で発症し、年齢とともに発症率が上昇する病気です。特に60歳以上で多くみられ、75歳以上では約30%が発症すると言われています。高齢者に多く発症することから、黄斑と網膜の下部にある網膜色素上皮細胞の加齢による老化現象が主な原因と考えられています。また、加齢黄斑変性の進行の要因としてあげられるものには紫外線の影響や喫煙、遺伝的要因、さらには生活習慣などです。
加齢黄斑変性には、加齢に伴い黄斑部の網膜が徐々に萎縮して視機能が低下する「萎縮(いしゅく)型黄斑変性症」と網膜の後ろにある脈絡膜から異常な血管が成長し、血液や液体が漏れ出ることで視力が低下する「滲出(しんしゅつ)型黄斑変性症」の2種類があり、日本では滲出型が多く見られます。
加齢黄斑変性の主な症状は、ものが歪んで見える(変視症)、視界の中心が暗く見える(中心暗点)、視力低下、色の区別がつきにくいなどです。ピアノの鍵盤やパソコン画面の外枠がゆがんで見えるようになったなどで気づくこともありますが、初期のうちは症状に気づきにくいこともあります。症状が進行すると、歪みはより顕著になり、視力が低下したり、中央部が見えなくなる「中心暗点」が生じたりします。
加齢黄斑変性の初期症状には、次のようなものがあります。
加齢黄斑変性の治療には、以下のような方法があります。
硝子体注射は、加齢黄斑変性などの網膜硝子体疾患における黄斑浮腫や新生血管の治療に用いられる薬物療法です。硝子体内に直接抗VEGF薬を注射することで、病状の進行を抑制し、視力回復を促します。眼の中に薬剤を注射して、新生血管の成長や、血液成分の漏れや炎症からくるむくみ(浮腫)を抑える治療法です。
完治する病気ではないので、視力を維持するために病態に合わせて治療を継続する必要があります。
加齢黄斑変性に対する比較的新しい治療法でレーザー治療法の1つです。光に反応する薬剤を静脈点滴した後、弱いレーザーを照射して新生血管の閉塞を試みる治療法です。薬剤注射による治療と併用されることがあります。加齢黄斑変性の中でも滲出型に対して行われ、視力低下の進行を抑制する効果が期待されます。
加齢黄斑変性によって生じた新生血管や出血部分にレーザー光を照射し、それらを焼き固めることで、病気の進行を抑制する治療法です。新生血管(異常に増殖した新しい血管)の形成を抑制したり、既に存在する血管を縮小させることができます。脈絡膜新生血管(網膜の下にある脈絡膜から、本来存在しない異常な血管が網膜色素上皮の下や上に伸びてくる病気)が黄斑の中心から離れた位置にある場合、強力なレーザー光を用いて病変を凝固させることもあります。
網膜静脈閉塞症は、網膜内の太い静脈が詰まることで血流が滞り、血流が悪くなる病気です。血液の流れが不十分になると、網膜の機能が正常に働かなくなり、視界がぼやけたり視力が低下するなどの症状があらわれます。特に60歳以上の高齢者に多く見られ、主な原因は、高血圧や糖尿病などの生活習慣病による動脈硬化です。また、加齢や血液の粘り気、ぶどう膜炎などが原因で発症することもあります。主に高血圧や糖尿病などの生活習慣病を持つ中高年に多くみられます。若年層でも発症することがありますが、その場合は、血管の炎症や血液疾患が原因となることが多いです。網膜静脈閉塞症は、閉塞部位によって網膜中心静脈閉塞症(CRVO)と網膜静脈分枝閉塞症(BRVO)に分けられます。CRVOは網膜の中心部、BRVOは網膜の枝状の血管で閉塞が起こります。
網膜静脈閉塞症は、閉塞の位置や程度によって症状が異なります。また、網膜の中心部(黄斑部)に出血や浮腫があると、視力は極端に低下します。
軽度の出血では自覚症状がないこともありますが、一般的には以下のような症状が見られます。
網膜静脈分枝閉塞症(BRVO)の治療は、視力低下の有無によって異なります。現時点で視力低下がない場合も新生血管の発生により、出血を起こし、重篤な視力低下を招く恐れがあります。定期的に検査を受けるとともに、少しでも異変が見受けられた場合には、レーザー光凝固術のほか、内服薬の服用などの治療が必要となります。視力低下がある場合には、抗血管新生薬やステロイド薬を眼内に注射する薬物療法のほか、レーザー光凝固術、網膜硝子体手術などを行います。
網膜中心静脈閉塞症(CRVO)は、切迫型と虚血型に分けられます。虚血型の場合、血管の詰まりが重度なので、速やかに「レーザー光凝固術」を行います。そのほか、網膜静脈分枝閉塞症(BRVO)と同様の治療を行い、症状の改善をはかります。
網膜の血流を改善する内服薬や、炎症を抑える点眼薬を使用することもあります。循環改善剤や、血をサラサラにする薬を内服して、血流の改善を図ります。また、静脈閉塞が起きた直後の急性期には、閉塞した血管に血流を再開させるための処置として、血栓を溶解する薬や、網膜の循環を改善させる薬が用いられます。完全に閉塞した静脈が再疎通することは難しいですが、閉塞がまだ不完全な場合には効果が期待できます。
眼底出血や網膜浮腫をできるだけ早く消失させるため、レーザー光凝固術をする場合もあります。浮腫が起きている部分をレーザー光で凝固すると、網膜内に溜まった血液成分が吸収されて、浮腫が改善します。
抗VEGF薬を眼球内に注射する硝子体注射が用いられます。網膜や黄斑の浮腫を改善し、視力の改善が期待できます。
網膜硝子体手術が有効な場合があります。硝子体手術では、眼内の硝子体と呼ばれる組織を取り除き、出血や混濁を改善します。
「網膜色素変性症」は、遺伝性かつ進行性の目の病気で、網膜の視細胞が障害されるにより視覚機能が低下します。主な原因は遺伝子の変異で、視細胞が変性し、光の刺激を受け取りにくくなります。網膜には錐体細胞(中心視力や色覚に関与)と桿体細胞(暗所での視覚に関与)の2種類の視細胞があり、網膜色素変性症ではまず桿体細胞が変性し、その後に錐体細胞が変性することで視覚が損なわれるのです。
夜や暗いところでものが見えにくい夜盲(鳥目)、視野が狭くなる視野狭窄、 視力低下などの症状がみられます。夜盲は暗い場所での視力低下、視野狭窄は視野が狭くなることで、視力低下は視力そのものが低下する状態を指します。
網膜色素変性症の根本的な治療法は今のところありませんが、症状の進行を遅らせる対症療法や見え方の矯正として、以下のような治療が行われることがあります。
ビタミン剤(ビタミンAなど)はアメリカでの研究で網膜色素変性症の進行を遅らせる働きがあることが報告されています。
暗順応改善剤は、網膜色素変性症における一時的な視野や暗順応(明るい環境から急に暗くなった時に目が暗さに慣れること)を改善します。
循環改善薬は、網膜(光を感じる目の中の組織)における血流の循環を改善します。
残っている視機能を十分に使ってQOL(生活の質)を維持・向上する取り組みとして、ロービジョンケアという方法がとられます。遮光眼鏡は、暗順応(明るい環境から急に暗くなった時に目が暗さに慣れること)を改善したり、コントラストを鮮明にしたり、眩しさを軽減させたりすることに効果があります。また、字を見やすくするルーペや拡大読書器を使用する方法がとられます。
網膜硝子体疾患には、網膜剥離、糖尿病網膜症、黄斑上膜、黄斑円孔などがあり、症状は様々です。糖尿病網膜症のようにある程度病気が進行すると症状が出てきますが、初期には自覚症状が出にくい病気もあります。網膜に障害が起きると、視力や視野に異常をきたし、放置すると失明に至る場合もあります。網膜硝子体の病気は進行が進むことで重篤化しやすいため、眼科での眼底検査による早期発見が大切です。
当院では、網膜疾患に対する最新の検査機器を取り入れ、早期発見に努めると共に、初期段階の進行抑制や硝子体注射を主に行っております。 医師がより専門的な治療が必要と診断した場合、最新設備を兼ね備えた本院「きたあやせよつば眼科」での治療・手術をご案内致します。 本院での治療・手術後のアフターケアは当院で行っており、患者様患者さまが安心して治療を行える環境を整えております。
網膜硝子体疾患網膜の病気は早期発見と適切な治療が大切です。
当院では、黄斑部・視神経乳頭を断面図として映し出す事ができる3D-OCT(光干渉断層計)など最新の検査機器を用いて早期発見に取り組んでいます。
「網膜神経線維層検査、通称OCT(Optical Coherence Tomography・光干渉断層計)検査」は、網膜や視神経の状態を詳細に観察できる最新の検査方法です。網膜の神経線維層の厚みを測定し、異常がないかを確認します。初期段階での視神経の損傷や網膜の変化を観察することが可能であり、網膜硝子体疾患の早期発見や進行度の評価に有用です。
当院では、レーザー光凝固術を行う医療機器を導入しております。レーザー光線を網膜などの眼底の病変部に照射して、焼き固めることで病気の進行を抑えることが可能です。
この治療方法は比較的短時間で行え、痛みがほとんどないため、当院の外来で受けていただけます。
網膜硝子体疾患の治療法の一つに、硝子体注射があります。硝子体注射とは、抗VEGF薬と呼ばれる薬液を注射を使って眼の中に直接注入する治療方法です。 VEGF(血管内皮増殖因子)は、眼の中に異常が起こった際に血管を安定させようとしてあらわれる物質のことです。 抗VEGF薬は、その名の通り「VEGF(血管内皮増殖因子)」を抑える薬です。加齢黄斑変性や糖尿病網膜症、網膜静脈閉塞症などの治療に用いられます。
当院では、網膜硝子体疾患について患者さまの目の状態に合わせ、適切な治療法をご提案しております。手術が必要な場合はきたあやせよつば眼科(本院)へご案内いたします。本院での適応検査のご案内およびアフターフォローや術後検査は当院内で可能です。
網膜硝子体手術とは、硝子体や網膜の疾患を治療するために行われる手術です。硝子体は眼の大部分を占める透明なゼリー状の物質で、網膜に光を届ける役割があります。網膜硝子体手術は、炎症や出血によって視力に影響が出る場合に行われます。高い精度が要求される手術の1つです。 医療技術の進歩により、手術を受ける方の眼やお体への負担が少なくて済み、より安全・安心な手術をご提供できるようになりました。 きたあやせよつば眼科(本院)では最新の硝子体手術システムを導入しており、経験豊富な医師による手術を提供しています。
ザ・タワー十条よつば眼科医院では、WEB予約またはお電話予約を承っております。 予約していただくことによって、診療までの待ち時間が少なくなります。※ご予約なしの場合でも診察は可能です。ただし、ご予約の方が優先となりますので、予めご了承ください。
※視野検査・眼鏡処方・コンタクトレンズのご予約はWeb予約では承ってません。直接当院へお問い合わせください。