「十条」駅徒歩1分の眼科 | ザ・タワー十条よつば眼科医院
〒114-0034東京都北区上十条2-27-1 J&MALL1階

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硝子体注射

当院では硝子体注射で用いる抗VEGF薬を、治療の効果や副作用などを考慮しながら、下記より最適なものを選択しています。

・アイリーア(バイエル株式会社)

・バビースモ(中外製薬株式会社)

・ベオビュ(ノバルティスファーマ株式会社)

・ラニビズマブBS(千寿製薬株式会社)

硝子体注射のイメージ

硝子体注射は、眼の中の硝子体に直接薬剤を注射する治療法で、主に加齢黄斑変性や糖尿病網膜症、網膜静脈閉塞症などの網膜の疾患に対して行われる治療です。これらの疾患では、目の中に異常な血管が発生して視力低下を引き起こすため、血管の成長を抑える薬(抗VEGF薬)を眼球内に直接注射することで症状の進行を防ぎます。
当院では保険適用の治療として実施しており、眼科医が患者様一人ひとりの状態に合わせた治療計画を立てています。視力の問題でお悩みの方はぜひご相談ください。

ザ・タワー十条よつば眼科医院院長 久米川 浩一
ザ・タワー十条よつば眼科医院
院長 久米川 浩一

大学病院や総合病院で、様々な症例に対して診察・治療を行ってきた経験から、目のお悩みに対する幅広い知見を持っています。
本院「きたあやせよつば眼科」と3つの分院のうち一つ、ザ・タワー十条よつば眼科医院の院長として2025年に就任。

目次

硝子体注射に使用する抗VEGF薬とは?

抗VEGF薬

抗VEGF薬(血管内皮増殖因子阻害薬)は、血管新生を促進するVEGF(血管内皮増殖因子)の働きを阻害する薬のことで、網膜の疾患の治療において重要な役割を果たします。
これによって黄斑浮腫が引き、翌日には視力が改善する人もいます。この薬剤には主に以下の3つの作用があります。

網膜浮腫の軽減

糖尿病網膜症や網膜静脈閉塞症などの疾患で起こる黄斑浮腫の原因物質であるVEGFの働きを抑えることで、浮腫を改善します。抗VEGF薬は網膜の血管から血液成分が漏れ出すのを防ぎ、その結果として網膜の浮腫(むくみ)を軽減します。治療対象となる主な疾患は、以下の通りです。

  • 糖尿病黄斑浮腫
    ・・・糖尿病により網膜の中心部(黄斑部)に水分がたまり、視力低下を引き起こす状態
  • 嚢胞様黄斑浮腫
    ・・・網膜の中心部である黄斑に液体が溜まり、浮腫(むくみ)が生じる眼疾患で、様々な原因で黄斑部に嚢胞状の浮腫が生じる状態
  • 中心性漿液性脈絡網膜症
    ・・・網膜の中心部(黄斑)に液体が溜まり、網膜が部分的に浮き上がり、黄斑部に液体が溜まる疾患

異常血管(脈絡膜新生血管)の縮小

網膜の下にある脈絡膜から異常に発生する新生血管(脈絡膜新生血管)を縮小させ、これらの異常血管からの血液成分の漏れを抑えます。治療対象となる主な疾患は、以下の通りです。

  • 加齢黄斑変性症
    ・・・加齢によって網膜の中心部にある黄斑が変化し、視力低下を引き起こす眼疾患のこと。黄斑部に異常血管が発生し、視力低下を引き起こします。
  • 近視性脈絡膜新生血管症
    ・・・強度の近視により網膜と脈絡膜の間に異常な血管が生成される疾患
  • ポリープ状脈絡膜血管症
    ・・・網膜色素上皮下に異常な血管網(ネットワーク血管)と、その先端にポリープ状病巣ができる疾患
  • 血管新生緑内障
    ・・・眼内に異常血管が発生し、眼圧が上昇し、視神経が障害される緑内障のこと

虚血性網膜疾患の進行抑制

血管閉塞により網膜が酸素不足(虚血状態)に陥り、網膜からVEGF物質が過剰に放出されます。このVEGFは網膜浮腫や異常血管形成を引き起こす原因となるため、抗VEGF薬はこれを中和して症状の進行を防ぎます。治療対象となる主な疾患は以下の通りです。

  • 網膜静脈閉塞症
    ・・・網膜の静脈が詰まって、血流が悪くなり網膜出血や浮腫を引き起こす疾患
  • 糖尿病網膜症
    ・・・糖尿病により網膜の血管に障害が起こり、虚血や出血を引き起こす進行性の疾患
  • 虚血性網膜症
    ・・・網膜の血管が狭くなったり詰まったりして、網膜への血流が不足し、酸素や栄養が十分に行き渡らなくなる疾患

硝子体注射の対象となる疾患

硝子体注射は、眼科で行われる治療法で、異常な血管を消失させる効果のある薬(抗VEGF薬)を眼の中に直接注入するものです。主に網膜や黄斑の病気に対して行われる治療法です。
ここでは、代表的な対象疾患についてわかりやすくご紹介します。

加齢黄斑変性症

加齢黄斑変性症は、加齢に伴い、網膜の中心部である黄斑が障害され、ものがゆがんで見えたり、ぼやけて見えたり、見たい部分が黒く見えたりする疾患です。50歳以上の方に多く見られ、視力の中心を担う黄斑部に異常な新生血管が発生することで視力が低下します。特に「滲出型(ウェット型)」と呼ばれるタイプが、硝子体注射の主な治療対象です。

治療には、ルセンティスやアイリーアなどの抗VEGF薬が用いられます。これらは血管内皮増殖因子(VEGF)の働きを抑えることで、新生血管の成長を防ぎ、視力の低下を抑制します。

初期治療では通常、月に1回の注射を数回行った後、症状や検査結果に応じて注射の間隔を調整していきます。適切な治療により、進行の抑制や症状の改善が期待できます。

糖尿病網膜症

糖尿病網膜症は、糖尿病が原因で網膜が障害を受け、視力が低下する眼疾患です。高血糖が続くことで網膜の毛細血管が傷つき、出血やむくみを引き起こします。

初期から中期にかけては、自覚症状があまり感じられないこともありますが、血糖値のコントロールが不十分な状態が続くと、網膜の中心部である黄斑にむくみが生じ、糖尿病黄斑浮腫を発症します。進行すると、視界のゆがみやぼやけ、見える範囲の縮小、さらには視力の大幅な低下を招くこともあります。

糖尿病黄斑浮腫の治療では、レーザー治療の他、抗VEGF薬による硝子体注射を行います。硝子体注射で網膜の浮腫(むくみ)を防ぎ、異常な血管新生を抑制する効果が得られます。

網膜静脈閉塞症

網膜静脈閉塞症は、網膜内の静脈が詰まり、血液の流れが滞ることで発症する眼の疾患です。網膜に必要な酸素や栄養が行き渡らなくなり、視界のぼやけや視力の低下といった症状が現れます。

主に高齢者に多く見られ、高血圧や糖尿病といった生活習慣病による動脈硬化が主な原因です。また、加齢による血管の変化や血液の粘度上昇、ぶどう膜炎などの炎症性疾患も発症リスクを高めます。

網膜の枝分かれした静脈の一部が詰まるタイプの網膜静脈閉塞症の治療には、抗VEGF薬の硝子体注射が有効です。注射によって黄斑部のむくみを軽減し、視力の改善を目指します。



病的近視

病的近視は、強度近視により眼軸長が異常に伸びて、網膜や脈絡膜に病的な変化が生じる状態です。特に脈絡膜新生血管が発生すると、出血や滲出が起き、視力低下やゆがみなどの症状を引き起こします。

主な症状として、視力全体の低下、線や模様が歪んで見える「変視症」、黒い点や糸くずのようなものが見える「飛蚊症」、光がちらつく「光視症」、中心部分が暗くなる「中心暗点」などがあります。

脈絡膜新生血管が認められた場合には、抗VEGF薬の硝子体注射が有効です。新生血管の活動を抑えることで、出血やむくみを軽減し、視力の維持に役立ちます。

続発緑内障

続発緑内障は、他の病気や薬の副作用によって眼圧が上昇し、視神経に障害が起こる病気です。主な原因としては糖尿病や白内障などの眼疾患のほか、ステロイド点眼剤の長期使用、

全身疾患、または薬物使用による眼圧上昇が挙げられます。

特にアレルギー性皮膚炎や花粉症の治療で使われるステロイド入り目薬の長期間使用によって眼圧が上昇して緑内障を引き起こすことがあります。続発緑内障はゆっくりと進行するため、初期には自覚症状がほとんどありません。そのため、定期的な眼圧検査と視野検査が重要です。
続発緑内障の中でも、「新生血管緑内障」は、虹彩や隅角(房水の排出口)に新しい血管が異常に増えることで眼圧が上昇するタイプです。この場合、抗VEGF薬の硝子体注射が治療に有効なことがあります。

POINT

いずれの疾患においても、硝子体注射は繰り返しの治療が必要になることが多く、定期的な経過観察が不可欠です。
また、眼内炎などの合併症リスクもあるため、眼科専門医による慎重な管理のもとで治療を行うことが必要です。
早期発見と適切な治療により、多くの場合、視力低下を防ぎ、視機能の維持や改善が可能となります

硝子体注射の流れ

硝子体注射のイメージ

01

点眼麻酔の実施・消毒

はじめに、目の表面に麻酔薬を数回点眼し、注射針を刺す際の痛みを感じにくくします。注射時の不快感を軽減するための大切な工程です。あわせて、感染症を予防するために、目の表面やまつ毛、目の周囲の皮膚まで含めて、ヨード系の消毒液などを使用して広範囲に消毒を行います。

02

開瞼器の装着

手術中に自然と目が閉じてしまわないよう、専用の開瞼器(かいけんき)という器具を使って、まぶたを広げた状態に固定します。

03

薬剤の注射

黒目(角膜)と白目(強膜)の境目から約4mm離れた白目の部分に、極めて細い針を用いて硝子体内に薬剤を注入します。注射する位置は眼の構造への影響を最小限に抑えるために慎重に選ばれています。注射自体は数秒で完了します。
注射後、感染予防のために抗菌作用のある眼軟膏を目の表面に塗布します。
治療後は、医師の指示に従って点眼薬の使用や生活上の注意点を守ることが大切です。
硝子体注射は通常、外来で行われ、全体の処置にかかる時間はおよそ1時間程度です。

当院の治療計画

当院では以下のような計画で、眼疾患の発生原因となった部位によってそれぞれ適切な硝子体注射の治療計画を実施します。

脈絡膜新生血管が原因の疾患の治療

加齢黄斑変性(滲出型)、ポリープ状脈絡膜血管腫症、網膜血管腫状増殖などの脈絡膜から異常な血管(新生血管)が発生する疾患では、以下の治療手順で進めます。

  • 初期治療:抗VEGF薬を4週間ごとに計3回、硝子体内に注射します
  • 経過観察:その後、光干渉断層撮影(OCT)などの精密検査で効果を定期的に確認します
  • 追加治療:視力低下や出血、網膜下の液体増加などの悪化所見が見られた場合は、追加の硝子体注射を行います

近視性脈絡膜新生血管や黄斑浮腫を伴う疾患の治療

近視による脈絡膜新生血管や、様々な原因による黄斑浮腫の場合は、以下のように治療します

 

  • 初回治療:最初にステロイド薬のテノン嚢下注射または抗VEGF薬の硝子体注射を1回実施します
  • 効果確認:OCTなどの検査で治療効果を評価します
  • 追加治療:黄斑の浮腫が再発したり、自覚的に視力が低下した場合には、追加の硝子体注射を行います
  • 併用治療:疾患によっては、網膜レーザー光凝固などの治療法を組み合わせることもあります

硝子体注射の注意点

硝子体注射後の点眼薬の使用

硝子体注射は、病状によって頻度や回数が異なりますが、一般的に導入期には1ヶ月に1回程度、その後は数ヶ月に1回のペースで繰り返し行うことが多いです。

また、硝子体注射は非常に小さな注射痕が残るので、この部分から細菌が侵入して眼内炎を引き起こす可能性があります。眼内炎が発生すると眼圧上昇や重度の視力低下など深刻な合併症を招くことがあるため、注意が必要です。
感染リスクを最小限に抑えるために、注射後は一定期間、入浴や洗顔、化粧、車の運転などの日常活動を控えていただくことが重要です。担当医師からの具体的な指示に従ってください。

点眼薬の使用

感染予防のため、硝子体注射後は抗生物質の目薬を朝・昼・夜・就寝前の1日4回、3日間にわたって点眼していただきます。

入浴と洗顔について

硝子体注射を受けた当日は、原則として入浴や洗顔は避けてください。ただし、眼帯をしっかり付けたまま、顔に水がかからないよう注意すれば、首から下の軽いシャワーは可能です。顔を清潔にしたい場合は、濡らした清潔なタオルで軽く拭く程度にし、特に注射を受けた目の周りには触れないようにしましょう。

メイクについて

化粧品やメイク道具には通常時は問題ない程度の微生物が付着していますが、注射後は目に小さな傷があるため感染リスクが高まっています。そのため、医師の許可があるまではメイクを控えてください。

運転について

注射後は片目に眼帯をしていることで視野が制限されるため、自動車はもちろん、バイクや自転車などの運転も控えてください。安全のためにも公共交通機関の利用をお勧めします。

日常活動での注意点

注射後は激しい運動や頭を大きく動かす活動は避けてください。目に負担をかける動きは治療部位への悪影響や感染リスクを高める可能性があります。

刺激の回避

激しい運動や力仕事は、2~3日程度控えましょう。目をこすったり、目を強く押さえたりするのは避けましょう。デスクワークや軽い運動は、翌日から可能ですが、激しい運動は数日控えるようにしましょう。

硝子体注射の費用(保険適用)

保険証のイメージ

当院で行っている硝子体注射は健康保険が適用される保険診療です。治療費は患者様の年齢や所得に応じた自己負担割合(1〜3割)でお支払いいただけます。
また、硝子体注射を含む医療費が高額になった場合には、「高額療養費制度」をご利用いただけます。この制度を利用すると、ひと月あたりの医療費の自己負担額が一定の上限を超えた分については、後から払い戻しを受けることができます。
詳細な自己負担限度額や申請方法については、厚生労働省の公式情報(高額療養費制度を利用される皆さまへ)をご参照いただくか、当院スタッフにお気軽にご相談ください。

まとめ

硝子体注射(抗VEGF治療)は、網膜の病気の症状に対して浮腫や出血を抑え、視力低下を抑制させる効果があります。 非常に小さいですが抗VEGF薬を注入する際の注射痕が残るため、細菌侵入による眼内炎を防ぐため、注射後は日常生活においていくつか注意が必要です。
また、進行の抑制のためには数回の実施が必要になり、患者さまの目の状態に合わせた治療計画が必要となります。
当院では、新しい硝子体注射の治療設備を導入し、患者さま1人1人に合わせた治療プランをご提案しております。

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ザ・タワー十条よつば眼科医院では、WEB予約またはお電話予約を承っております。 予約していただくことによって、診療までの待ち時間が少なくなります。
※ご予約なしの場合でも診察は可能です。ただし、ご予約の方が優先となりますので、予めご了承ください。

視野検査・眼鏡処方・コンタクトレンズのご予約はWeb予約では承ってません。直接当院へお問い合わせください。

この記事の監修
ザ・タワー十条よつば眼科医院院長 久米川 浩一
ザ・タワー十条よつば眼科医院
院長 久米川 浩一

大学病院や総合病院で、様々な症例に対して診察・治療を行ってきた経験から、目のお悩みに対する幅広い知見を持っています。
本院「きたあやせよつば眼科」と3つの分院のうち一つ、ザ・タワー十条よつば眼科医院の院長として2025年に就任。

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